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歩荷(ぼっか)とは?|山小屋を支える歩荷の仕事をご紹介
「歩荷(ぼっか)」
登山や山登りが好きな方は、一度は、耳にしたした事もある方も多いのではないでしょうか?
地域によっては、あるいは強力(ごうりき、剛力とも)とも呼ばれたりしているそうです。
この、歩荷さんは、段ボール箱や資材など、沢山の荷物を体一つで担いで山を登り、山小屋に届ける仕事をしている人達です。
主な運搬物は、山小屋から依頼された食料や生活用品を運んでいて、中には家電や重機を分解して運ぶことなんかもあるそうです。
登山した際に、山小屋でご飯が食べられたり宿泊できるのも歩荷さんのおかげといっても過言ではありません。
この記事では、そんなぼっかさんや歩き方のコツなど、詳しくご紹介していきたいと思います。
尾瀬の歩荷|唯一、職業として成り立つ珍しい地域
福島県・新潟県・群馬県の3県にまたがる高地にある尾瀬は、唯一、歩荷さんが職業として成り立っている地域です。
現代の山小屋への荷物の運搬は、ヘリコプターが主流になっている中、尾瀬ではなぜ歩荷さんの仕事が活きているのか?
尾瀬での歩荷さんのお仕事についてご紹介したいと思います。
歩荷の仕事(内容)はこんなにハード
尾瀬では、ヘリコプターによる荷上げが主流になった現代でも人力での運搬「歩荷(ぼっか)」がいまだに成り立っている地域です。
尾瀬で働く歩荷さんは、6名(2018年頃)で20代から50代。
屈強でがっちりした体つきの男性かと思いきや、スマートなぼっかさんがもいらっしゃって、1回の運搬に何十kgもする荷物を運ぶには、歩き方のコツがあるそうです。
ぼっかさんによっては、80kg~100kgとかなりの重さを運ぶ事ができるそうです。
尾瀬の歩荷さんのベースとなるのが群馬県側にある片品村の鳩待峠。
ここから片道3キロから11キロに点在する山小屋に依頼のあった荷物(主に生活用品や食品など)を毎日、歩いて届けています。
しかも、場合によっては、1日に11キロを二往復することもあるそう。歩荷のコツがあるにしても、本当にすごいですよね。
また、天候が悪いとヘリコプターが飛ばずに、山小屋に荷物を届ける事ができ無い事も多く、尾瀬でも、特に夏山シーズンは、午後から夕立や雷が非常に発生しやすい季節になります。
こういった天候に左右される事なく、歩荷さんは雨の中でも雪の中でも山小屋へ荷物を運ぶのです。
山小屋の店主も、決められた日にしっかりと届けてくれるぼっかさんに非常に信頼し、必ず必要なものについては、ぼっかさんに依頼する。という信頼関係が築かれているそうです。
歩荷さんのコツ|100kgの荷物を背負って運ぶ技術とは?
100kgの荷物を背負うなんて、通常ではなかなか出来ないことだとおもいませんか?
ですが、歩荷さんのコツや運搬技術によっては可能になるのです。
ここでは、歩荷さんのコツをご紹介します。
歩荷さんのコツは 軽く「腕組み」して歩く
腕組みして荷物を運ぶという歩荷さんならではのコツがあります。
この腕組みしての運搬のメリットとしては、
- 肩の筋肉にかかる負荷を軽減
- 腕や指先の浮腫みを軽減
- 重心を軸足の上に集中させやすくする
- 重心を進行方向に集めて推進力に出来る
といったメリットがあり、長距離を運搬する歩荷さんがよく軽く腕組みされているのを見かけた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ぜひ、試してみてください。
※注意事項
腕組みをする事でバランスが悪くなったり、場所によっては転倒する危険もあります。場所を選んで、腕組みでの歩行をされてください。
また、腕組みをする事により呼吸が苦しくなる場合もあります。その際は、猫背になった状態から背筋を伸ばして歩きましょう。場合によっては、休憩も適宜とっていくと良いでしょう。
歩荷の求人をご紹介|歩荷(ぼっか)になるには
歩荷さんの仕事やぼっかさんのコツなどをご紹介してきましたが、ぼっかをやってみたい!
仕事として、ぼっかに魅力を感じて、就職したい。という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今現在、ぼっかの募集をしている企業、団体、山小屋は少ないものの、いくつかご紹介したいと思います。
八ヶ岳 オーレン小屋
八ヶ岳 オーレン小屋さんでは、歩荷さんを募集しています。
仕事内容としては、歩荷の仕事だけでなく、山小屋の受付、部屋を掃除、お客様のお食事を作る、登山道の整備、高山植物の保護等、さまざまな仕事をする山小屋スタッフさんの募集となっています。
ぼっかさんの仕事以外にも山小屋のお仕事に興味のある方はぜひご覧ください。
北海道の山岳ガイド&ポーター会社 ハローポーター
ハローポーターさんでは、歩荷さんのお仕事を募集されています。
条件も、「健康で快活、非喫煙者であること以外に応募資格はありません。」と、幅広くぼっかさんを募集されているので、ぼっかさんの仕事に興味のある方はぜひチェックしてみてください。
日本青年歩荷隊
日本青年歩荷隊さんでは、ぼっかさんのアルバイト、スタッフを募集されています。
勤務地も日本全国の山岳地域と幅広く対応されており、勤務も直行直帰。条件も最低限の体力と18歳以上と、幅広く人材を募集されています。
歩荷のお仕事、ちょっと試したいという方に
歩荷の仕事に興味があるけれど、自分ができるかわからない。
また、ちょっとぼっか体験してみたい。という方にオススメなのが鍋割山。
神奈川県にある 鍋割山(丹沢)の登山口手前にボランティアで持って行くペットボトルが設置されています。
そこで、自分の体力に合わせて、ペットボトルをバックにつめて山頂の鍋割山荘まで運ぶというぼっか体験ができますので、オススメです。
歩荷さんの給料ってどれくらい?
ここまで歩荷さんのお仕事や求人情報をご紹介してきましたが、実際、ぼっかさんのお仕事はいくらぐらいの給料なんでしょうか?
先ほど紹介した、日本青年歩荷隊の採用情報には日給一万円~と掲載されています。
また、他のぼっかさんの募集も、時給や給料の情報は掲載されていないのですが、ぼっかの仕事をされている方のブログや日記などを拝見すると、運ぶ重さによって金額が変わったりもするそうです。
何十キロも運んで、日給一万円のお仕事。力自慢の方にはピッタリのお仕事なのかもしれませんね。