丸木舟

丸木舟で見る縄文時代!作り方や歴史、展示されているスポットをご紹介

人の歴史を知る上で重要なもののひとつ、「航海」。
古代に暮らす人々はどのような方法で水の上を移動したのでしょうか。

今回は、縄文時代から人々の暮らしで使われてきた「丸木舟」をテーマに、丸木舟のことや作り方、そして国内で行われた実験や博物館などの情報をご紹介します。

 

丸木舟ってどんな船?縄文時代の作り方もご紹介

そもそも「丸木舟」ってどんなものなの?と疑問に思う方は多いのではないでしょうか。

縄文時代からつかわれてきた丸木舟の概要や作り方などを調べてみました!

 

丸木舟とは

丸木舟(まるきぶね)とは、1本の大きな木をくりぬいて作るカヌーのような舟のことです。

丸木舟の歴史は古く、縄文時代から人々の暮らしで使われてきたといわれています。
出土した場所を見ると、日本だけでなく世界で古くから丸木舟は作られており、舟の形をした物としては最古のものだそうです。

縄文時代から、丸木舟は水辺で暮らす人々が移動するときや漁、そして荷物を運搬するときに使われてきたと考えられています。

ちなみに、日本で発見されたものの中で最も古いものは、千葉県市川市の雷下遺跡(かみなりしたいせき)で出土された舟で、縄文時代早期のものとみられています。
そんな昔から船を使っていたなんて驚きですよね!

丸木舟は、日本では博物館でしかほとんど見ることができません。
ですが、世界では現代もアフリカなどで丸木舟を使って暮らしている人々がいます。

丸木舟は決して過去の物ではなく、今も人々に使われているものなのです。

 

丸木舟の作り方

丸木舟は1本の大きな丸太をくりぬいて作ります。

現代は便利な道具がありますが、縄文時代は石器でくりぬいたと考えられているそうです。

出土された丸木舟から、素材はムクノキやカヤなどの堅い素材が使われていたと考えられており、1本の木をくりぬいて作ることから大きな木を伐採して作られました。

その丸太を火で焦がし、炭になったところを石器で削ってくりぬいて舟を作ったそうです。

「石器しかない時代にどうやってくりぬくのだろう?」と疑問でしたが、火を使ったなんて驚きですよね!
縄文時代の人々の知恵は素晴らしいですね。

 

丸木舟以降、船はどう進化した?

丸木舟以降、人々は船に様々な工夫や改良を行い、船を進化させます。

いかだや丸木舟は波に弱く、大きな船を作れない上に遠くまでの移動がとても難しいものでした。
そこで人々は組立船をつくりはじめるようになったそうです。

組立船は、船の骨組みがしっかりと頑丈に作られており、板などをはりつけて作られた船のことで、現在の船の原型といわれています。
この組立船をつくりはじめたことで、より安全に、遠くへ航海できるようになりました。

その後、船の動力も櫂(かい)から風を利用した帆へとかわります。
更に19世紀にもなると船の動力は蒸気機関となり、素材も木材から鉄などに変化し、現在の船の姿へと進化したのです。

 

丸木舟の航海力を再現!祖先の偉業に挑戦する実験も行われた

縄文時代から使用されてきたといわれている丸木舟。

この舟を使って、国立科学博物館が2019年にとある実験を行い、話題になりました。
日本人の祖先が行ったと考えられる航海を検証した、「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」についてご紹介しましょう。

 

台湾から沖縄へ!丸木舟での実験航海が行われた

2016年から2019年、国立科学博物館が航海に関する実験を行いました。

その内容は、丸木舟で台湾から沖縄の与那国島へと航海するというもの。

この実験は、約3万数千年前に日本列島にやってきた「最初の日本人」が成し遂げたと考えられる航海を再現するという大きなプロジェクトでした。

もしかしたら、当時ニュースでこのプロジェクトを見たという方も多いのではないでしょうか。

日本の祖先はアジア大陸から歩いて日本にやってきたという説がありましたが、近年は「船で航海して日本へやってきた」という説が有力とされているそうです。

アジア大陸から日本列島に船で移動するには、世界最大の海流“黒潮”を乗り越えなければなりません。
当時の人々にとって、非常に難しい航海だったのではないでしょうか。

このプロジェクトでは実際に石器で丸木舟を作り、5名の男女によって台湾から沖縄までの実験航海が行われました。
航海法も星や太陽に頼った古代のものを使い、約200kmの航海に挑戦し、約45時間の航海の末、無事に成功させたそうです。

日本人の祖先は、このような大変な思いをしてこの島にやってきたのかと思うと感慨深いですよね!

 

丸木舟の航海の様子は2021年1月に国立科学博物館で上映

国立科学博物館では、丸木舟で台湾~沖縄間を公開した記録を、館内にある全球型映像施設「シアター36〇」で2021年1月の期間中に放映しています。

このプロジェクトで再現した3万年前の大航海を、大迫力の映像と音で体感してみてはいかがでしょうか。

※新型コロナウイルスの影響により、上映が休止となる場合があります。
公式サイトで最新の情報をご確認ください。

※上映スケジュールは公式サイトにてご確認ください。

国立科学博物館 全球型映像施設「シアター36〇」
料金:常設展入館料のみ
公式サイト:https://www.kahaku.go.jp/exhibitions/theater360/

 

丸木舟はどこで見られる?展示場所を3つご紹介

ここまで丸木舟の情報についてご紹介してきました。
実際にどんなものなのか、見てみたい方もいるのではないでしょうか。

日本国内で丸木舟が展示されている博物館を3か所ご紹介しましょう!

 

1.北区飛鳥山博物館(東京)

北区や近くの地域の考古や歴史、自然などの展示品が常設されています。

この博物館では、中里遺跡出土の丸木舟(縄文時代中期)を見ることができます。
舟の表面に焦げたあとがみられるので、火を使って作られたことが推測されます。

その他にも多くの出土品が展示されていますので、一度足を運ばれてみてはいかがでしょうか。

北区飛鳥山博物館
住所:東京都北区王子1-1-3
公式サイト:https://www.city.kita.tokyo.jp/hakubutsukan/index.html

 

2.横須賀市自然・人文博物館(神奈川)

神奈川県の横須賀市自然・人文博物館では、縄文時代前期~中部頃の丸木舟が展示されています。

国内最小クラスの舟が展示されており、漁などで使用されていたのではと考えられているそうですよ。

横須賀市自然・人文博物館では、三浦半島の自然と人に関わる様々な展示物がありますので、丸木舟と合わせて三浦半島について学んでみてはいかがでしょうか。

横須賀市自然・人文博物館
住所:横須賀市深田台95
公式サイト:https://www.museum.yokosuka.kanagawa.jp/

 

3.若狭三方縄文博物館(福井)

福井県の若狭三方縄文博物館では、ユリ遺跡出土の丸木舟(縄文時代・後期)をメインに、実験考古学的手法で作られた丸木舟も展示されています。

出土品だけではないので、より深く舟を利用した当時の文明や暮らしについて学ぶことができそうです。

そのほかにも縄文時代について学べるたくさんの展示品がありますので、子どもの夏休みの自由研究にもおすすめですよ!

若狭三方縄文博物館
住所:福井県三方上中郡若狭町鳥浜122-12-1
公式サイト:https://www.town.fukui-wakasa.lg.jp/jomon/index.html

 

まとめ

縄文時代から現代まで使われ続けている丸木舟についてご紹介しました。
人々がそんな昔から船を使った暮らしをしていたなんてビックリですよね!

また、最新の研究や実験によって明らかになった「日本の最初の人」の偉大な航海についても紹介しました。
日本人のルーツにも関わる舟について興味を持った方も多いのではないでしょうか。

舟はもちろんのこと、縄文時代や古代の人について興味・関心を持った方は、この機会に丸木舟が展示されている博物館へお出かけしてみてくださいね!


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