新学期を真新しい気持ちで迎えたはずが、早々にストレスだらけになって、なんだかどんより、やる気も出ない…。
そんな高校生や高校生を見守る親御さんのために、なぜ新学期に高校生がストレスを感じやすいのかを解説します。
また、自分でできる新学期のストレスへの対処法や、親御さんができる対処法についても、ご紹介していきます。
前向きな高校生活を取り戻すために、是非、目を通してみてくださいね。
目次
新学期ストレスを高校生が感じる3つの理由
新学期に入ったタイミングで、高校生がストレスを感じるようになるというのには、一体どんな背景があるのでしょう?
まずは、高校生が新学期に、ストレスを感じやすくなるのはなぜなのか、その理由について、考えいきましょう。
心のエネルギーが充填不足だから
近年、よく『心のエネルギー』という言葉を耳にしますが、『心のエネルギー』とは、人間が生きていく上で、元気や意欲の素となるもののことだそうです。
新学期を迎えた高校生の場合、休み期間中のリフレッシュが足りていないと、前学期の疲れを、そのまま持ち越すことになってしまいます。
それは、『心のエネルギー』がゼロやマイナスの状態で、忙しい高校生活をスタートしなくてはならないということを、表しているのです。
これでは、新学期早々に息切れしてしまっても、なんら不思議ではないですよね?
ストレスに負けない自分であるためにも、休みの間にエネルギーの充填をしておくことは、とても大切なことのようです。
ストレスの存在に気付いてしまったから
長い休みの間、学生は大体の場合、自分の好きなように時間を使うことができます。
周囲の目を気にすることもなく、日々の人間関係に悩むことも、ほとんどありません。
そんなふうに、マイペースに過ごしている休み期間中に、普段の生活のことを思い起こした時、どれだけ自分が神経を使い、疲れていたかを、自覚してしまうことがあります。
忙しさや気持ちの張りに隠れて、気付いていなかった自分のストレスに、学校を離れたことで気付き、新学期にまた学校に戻るということが、重荷に感じるようになってしまうのでしょう。
生活習慣の乱れが直らないため
高校生になると、もう自己管理がきちんとできるのだという、自負が芽生えます。
そのため、親にいくら口うるさく注意されたところで、夜ふかしや朝寝坊の習慣を、改める気にはなれなかったりします。
新学期が始まり、登校しなければならないという状況になれば、自然と元のペースに戻せるだろうと、信じているからです。
けれども、一度身についてしまった習慣は、そう簡単に消えるものではありません。
体内リズムが狂ったまま、新学期に臨むことで、身体的にストレスが生じるのはもちろんのこと、心理的にも通学が苦痛に思え、ストレスを感じやすくなってしまうというわけです。
『新学期のストレス』高校生が自分でできる対処法
新学期になって、ストレスを感じるようになった高校生の中には、どうやってそのモヤモヤを打破していいか、わからずにいる人も多いのではないでしょうか。
そんな高校生のために、ストレスに負けない心を培う、自分でできる対処法の一例を、ご紹介します。
目先のゴールを決めてみる
どんなことでも、何の目途もなく、ずっと頑張り続けなければいけないと思うと、息苦しくて、とても頑張り切れないような気がしてきませんか?
それならば、自分で節目のゴールを、作ってしまえば良いのです。
4月の新学期ならば、ひとまず目の前にある、5月のゴールデンウィークに目標をセットして、そこまで頑張ってみることにします。
『連休まで頑張ったら、自分へのご褒美に、行きたかったテーマパークに行こう』というふうに、お楽しみを設定してもいいですね。
そうやって過ごすうちに、環境にも馴染んで、意外とストレスを感じなくなっている自分に、気付くかもしれません。
なりたい自分をイメージする
勉強や部活のこと、友達・先生・親との人間関係、さらには進路に対する不安など、高校生を取り巻く問題は、中学生までとは、複雑さの度合いが違います。
そんな中で、『こうでありたい』と思い描いた自分と、現実の自分の間に、ギャップがあるように思え、ストレスを感じているのならば、その『こうありたい自分』を、もっと具体的にイメージしてみましょう。
- 『友達に対してこんなふうに接することのできる自分』
- 『こんな特技が上手にできる自分』
- 『こういう仕事をする大人になった自分』
…という感じに、自由に考えてみてください。
そのイメージさえ固まれば、今の自分が何を目標に、どう行動すればいいかが、ぐっとわかりやすくなりませんか?
『こんなふうに見られたい』というような、他人の評価を軸にするのでなく、あくまで自分を軸に考えると、そのストレスは、頑張るための良い原動力となることも、多いものです。
ストレスを乗り越える成功体験を味わってみる
ストレスを感じているような時には、自分に自信が持てなくなりがちです。
うまくいかない状況を、自分に足りないものがあるせいだと、考えてしまうからです。
そんな時には、何かを成し遂げたり達成したりするという体験を、あえて作り出すことが有効だと言われています。
勉強でも趣味のことでも、内容は何でも良いので、小さな目標を定めて、それを真剣にやり抜いてみましょう。
そうするうちに、『自分にもできることがたくさんある』と気付き、肩の力が抜けて、学校生活で感じているようなストレスにも、立ち向かっていけるようになるはずです。
新学期ストレスを抱える高校生に、親がしてあげられること
高校生の親の立場からすると、子供の抱えているストレスが、立ち向かえる程度のものなのかどうかは、なかなか判断がつきづらいのも事実です。
真正面からの介入を嫌がる高校生に、親として、してあげられるサポートとはどんなことなのか、一緒に考えてみましょう。
普段から子供の様子を観察しておく
新学期になって、我が子がストレスを感じているのかどうか、親にははっきりとわからないことも、多いものです。
高校生にもなると、詮索されたくないという気持ちから、親には何でもないという顔を見せたがりますし、余程のことがない限り、自分から訴えてくるということもないでしょう。
だからこそ、普段から子供の様子を観察しておくことが、とても大切なのです。
まずは、ストレスを抱えて苦しんではいないか、気付いてあげることが第一歩。
それには、腫れ物を扱うような、いかにも様子をうかがっているといった空気は出さずに、あくまで自然に、常に視界の隅に子供を入れて、見守るようにすると、いいかもしれません。
受け身になって、話を聞く
子供がうまく学校生活を送れているのかは、親としては、当然気になる問題です。
けれども、高校生という年代は、親の知らない、自分独自の世界を確立しようと、頑張っている時期でもあります。
『勉強は、ちゃんとついていけている?』
など、親自身の不安から、子供にあれこれ訊ねてしまうと、子供はその質問自体に、プレッシャーを感じてしまいそうです。
普段から、子供の様子を視界の隅に感じ取るようにして、いつもと違う雰囲気であれば、『なんだか暗い顔しているね。何かあった?』などと、子供から話してくれるよう、促すくらいがちょうどいいのかもしれません。
ポイントは、親が子供の現状を把握するために、話をさせるのではなく、子供の吐き出したい話を、受け身になって、ただ聞いてあげるという気持ちで、接することのようです。
むやみに頑張らせようとしない
子供がストレスを感じているということは、その子なりに前向きに頑張ったものの、環境に上手に適応できず、心身ともに疲れてしまっているという、可能性があります。
そんな時に、負けずにもっと頑張るようにと、発破をかけたり、励ましたりすることは、子供にさらなるプレッシャーをかけることになりかねないため、少し注意が必要かもしれません。
まずは、頑張っていることを認めてあげて、子供の感じているしんどさに、共感する姿勢を見せてあげましょう。
言葉の鞭を使って頑張らせるのではなく、子供の中から頑張る気持ちが湧いてくるよう、静かに支えるというイメージですね。
長引くようなら医療機関に相談を!
もしも、様子を見守る中で、子供にこんな状態が長引いているようでしたら、その時は迷わず、医療機関を訪れるのが一番です。
① 気分の落ち込み、不安や苛立ちが続く
② 無気力になり、夜眠れない
③ 腹痛や下痢・便秘を繰り返す
④ めまいや頭痛を起こす
⑤ 動悸・呼吸困難・過呼吸が見られる
これは、ストレスによる子供の不調をあらわす、ほんの一例に過ぎず、他にも様々な症状として表れる可能性があります。
医師には、多くの子供の不調を診てきた経験がありますので、親や本人の力では改善できなかったことにも、適切なアドバイスをくれることでしょう。
あまり構えずに、何かしら『いつもと違う』が続いていたら、アドバイスをもらうために受診してみようというふうに、考えてみてはいかがでしょうか?
【まとめ】新学期のストレスは、高校生にとって成長のチャンスにもなる
ストレスと聞くと、どうしても、心身を傷めつける悪者のイメージがありますが、適度なストレスは、人が成長していくために、必要なものだと言われています。
新学期に高校生が感じているストレスも、うまく対処することが出来れば、それが自信や自己肯定感につながり、大人へと成長を遂げるための、大切な橋渡しとなるかもしれません。
ストレスを感じやすくなるのはなぜなのか、本人や親はどう対処すればいいのかを理解して、ストレスとうまく付き合っていってくださいね。