夏のイベントといえば花火大会です。
訪れた人達のにぎわい、露店の活気がさらにワクワク感をかき立てます。
しかし、2013年に、ある花火大会会場で、大きな事故が起きてしまいました。
当時ニュースで報道された際、流れた動画を見て、とても衝撃をうけました。
なぜ、このような事故が起きてしまったのか、事故のその後もまとめてみました。
福知山花火大会での悲惨な事故
この事故は、京都府福知山市の夏のイベント「ドッコイセ福知山花火大会」にて発生しました。
同花火大会は、京都府で行われる花火大会の中でも、大きな花火大会です。
多くの人達で賑わい、花火を今か今かと待っていました。
花火大会メイン会場内に、ベビーカステラの屋台がありました。
ベビーカステラの屋台店主が、発電機に、燃料のガソリンを給油しようと、携帯缶を開けた際に、観客側にガソリンが噴出してしまい、店側に向きを換えた時に、引火し、爆発を引き起こしたのです。
原因は取扱者の不注意な行動
ガソリン携帯缶を炎天下に長時間置いていました。
ガソリンは、常温でも気化し、小さな火種でもすぐ引火する物質です。
気化した蒸気は、空気よりも重いので、留まりやすく、火気を少しでも近づけると、簡単に引火します。
高温になり、ガソリンが気化したことにより、携帯缶の内圧が高まっていました。
携帯缶から給油する際は、高圧により噴射されることを防ぐために、携帯缶のエア調節ねじを緩めて、ガスを抜いてから補充しなければいけません。
このベビーカステラの屋台店主はそれを怠ってしまいました。
案の定、ガソリンが周囲の人や物に降りかかり、慌てて店側に向きを換えるも、店側には火気があります。
ガソリンの蒸気によって引火し、携帯缶に移り、爆発に繋がってしまいました。
きちんとガソリンの特徴、携帯缶の扱い方を理解し、守っていれば起こらなかったでしょう。
犠牲者の中には小学生も
この爆発事故で、犠牲者3名、負傷者59名が発生しました。
犠牲者の中には、小学生の男の子「空くん」もいました。
メイン会場の屋台群の裏側は、コンクリートの階段になっています。
階段に座って花火を観覧する人もたくさんいました。
空くんは、爆発の原因となった、ベビーカステラ屋台の横付近の階段に座って、花火が始まるのを待っていたそうです。
そして、店主の軽率な行動により、爆発が引き起こされ、空くんは、全身に大きなヤケドを負いました。
病院に運ばれた後、集中治療室に入った空くんは、爆発事故4日後19日になくなりました。
報道で見た時は、とても悲痛な気持ちになりました。
もっと遊んだり、色々とやりたいこともたくさんあったことでしょう。
花火大会もその一つで、とても楽しみにしていたはずです。
そんな空くんを奪ったこの事故は、とても悲惨な事故です。
事故のその後
報道で動画を見た際、その光景に衝撃を受けました。
この大事故が起きた時、現場は騒然としていました。
消化活動が行われ、負傷者は救急車で運ばれ、現場検証が行われ、お祭りどころではありませんでした。
このお祭りはどうなったか、容疑者は何の罪に問われたのか、まとめました。
花火大会、イベントは?
爆発事故発生後、同花火大会は中止となりました。
楽しみにしていた方も、まさかこのような大事故が起こるとは思わなかったでしょう。
しかし、起きてしまったのです。
この大事故の影響で、その年の福知山市の夏祭りは、次々と中止になりました。
同花火大会を、2014年以降開催するかは検討中ですが、今現在も開催はされていません。
京都府内でも花火大会中止が相次ぎました。
容疑者の罪状は
ベビーカステラ屋台店主の被告は、今回の屋台爆発事件で、業務上過失致死傷罪で逮捕されました。
判決は、禁錮5年の刑。
この事故で、被告自身も、全治3ヶ月以上の重傷ヤケドを負い、面会謝絶になりました。
しかし、重傷のヤケドで入院された被害者はたくさんいます。
今もなお通院されている方もいることでしょう。
被告は、公判後の記者会見で、頭を下げ、遺族と被害者への謝罪の言葉を述べています。
今後どのような形でもいいので、償っていってほしいと思います。
こんな悲惨な事故が起きないために
ガソリン、携帯缶を扱う場合は、ガソリンの特性、携帯缶の使用について知っていなければいけません。
祭り開催者も、ガソリンを持ち込む屋台を把握し、事前に教育していたのでしょうか。
ガソリン爆発の威力は大きく、小さな火種でもガソリンは燃えます。注意して取り扱わなければいけない、危険物なのです。
この花火大会の事故は、一生消えることのない、傷跡を残しました。
このような事故が二度と起きないよう、屋台出店者のガソリン取扱いを徹底し、安全面に注意して欲しいと思います。