愛着のある母子手帳を、子供に渡すかどうか、考えてみたことはありますか?
この記事では、他の人はみんなどうしているのか、渡す人はどんなタイミングで渡すのか、渡したくない人にはどんな方法があるのかなど、なかなか知る機会のない、母子手帳の行方についての、ちょっと踏み込んだお話を、お伝えしていきます。
目次
【母子手帳】子供に渡す?渡さない?皆の意見まとめ
母子手帳を、子供に渡すか渡さないかは、人それぞれで、考え方の分かれるところです。
皆さんが、母子手帳について、どんな思いを持ち、どのようにしたいと思っているのか、それぞれの意見を、まとめてみました。
母子手帳を子供に渡したい人の気持ち
母子手帳は、子供が生まれる前から幼少期までの、貴重な記録であり、予防接種の有無や、かかった病気などの、大切な情報が詰まったものです。
Aさんは、ご自身が成人後に、ワクチンの接種歴や既往症について、確認しなければならない場面があり、母親に言って、母子手帳を送ってもらったという経験から、自分の子供には、適当な時期がきたら、母子手帳を渡そうと、考えているそうです。
時間がたつと、親のほうの記憶も、あいまいになっていきますので、Aさんのように、大人になっても必要となる情報の、書かれた母子手帳は、子供に渡すのが一番良いと、考える人は、多いようです。
また、別の理由から、母子手帳を子供に渡したいと、考えている人もいます。
Bさんは、結婚する際に、母親に母子手帳をもらいたいと言って、探してもらったものの、「どうやら失くしたようだ」と言われました。
その時は、少し驚いたものの、まぁ仕方ないと思って、あきらめたそうですが、のちに夫がもらってきた母子手帳を見て、とてもうらやましく思ったそうです。
義母の手書きの記述や、ちょっとしたコメントから、子供に対する温かい愛情を、感じ取ったからです。
そのこともあり、Bさんは、いつか子供が生まれたら、母子手帳を子供に渡したいと、思っているのだそう。
母親が、自分の成長具合に一喜一憂したり、健康に育つように、日々心を砕いていたことを、記された文字から知り、そこから愛情を感じとってくれることを、願っているのでしょう。
母子手帳を子供に渡したくない人の気持ち
一方で、母子手帳を子供に渡したくないという意見も、少なくはありません。
妊娠するまでに時間のかかった、Cさんにとって、母子手帳は、憧れに近い対象だったそうです。
赤ちゃんの心拍が確認でき、妊娠届出書を提出して、ようやく手に入れた母子手帳には、その時々に感じたことなど、さまざまなことも、書き込んでいきました。
子供が大きくなった今でも、母子手帳を見返すと、妊婦時代からの、さまざまな記憶がよみがえり、自分と子供のつながりを、強く感じるといいます。
そんなCさんは、母子手帳を子供に渡してしまうことに、抵抗があるそうです。
一冊しかない、宝物のような母子手帳は、どうしても、自分の手元に置いておきたいので、子供には、必要な部分だけをコピーして、渡すしかないのではないかと、考えています。
母子手帳を子供に渡すタイミングとは?
母子手帳を子供に渡したいと思っても、どんなきっかけで、渡せば良いものか、意外とわからなかったりしませんか?
ここでは、母子手帳を渡すタイミングについて、子供の人生におとずれる、3つの節目に合わせて、ご紹介します。
一人暮らしを始める時
まずは、子供が実家を離れるタイミングで、渡すというパターンですが、これはとても、実用的な渡し方のようです。
大学進学などで、一人暮らしをするようになると、行動範囲が、格段に広がりますし、親元で衣食住の管理をされていた時と違い、体調を崩しやすくもなります。
そういった際、母子手帳に書き込まれた、既往症についての記載が、病院の受診に、役立つことがあるのです。
いちいち親を頼らなくても、自分で母子手帳を見て、対処できるようになるということは、自立への良い訓練にも、なるのかもしれませんね。
成人した時・社会人になった時
成人した時や、社会人になった時に、渡すということには、一人前になったという節目の、けじめ的な意味合いが、あるようです。
子供にとっては、『保護されるべき者』という立場からの、卒業証書みたいな感じでしょうか?
母子手帳は、これまで大切に育ててきた、証のようなものでもありますから、親にとっても、卒業証書授与式みたいな雰囲気が、ありそうな気もします。
すこし照れくさいかもしれませんが、思い切って、感動的な演出をしてみるというのも、後々、思い出に残って、良いかもしれませんね。
結婚・妊娠した時
子供が女の子だった場合、母子手帳を子供に渡すタイミングとして、最も多いのが、娘が結婚する時や、妊娠した時のようです。
特に、妊娠がわかった時には、同じ母親という立場になる娘と、自分のかつての妊娠・出産期の経験を、分かち合いたいと思うのかもしれません。
娘の方でも、母親が命をかけて、自分を育んできてくれたことを、実感として最も理解できる、最高のタイミングなのではないでしょうか。
また、1人目の妊娠・出産では、まだママ友も少なく、周りに気軽に相談できる人が、いないということも、多いもの。
そんな時に、母から渡された母子手帳を見て、そこに書かれたデータや、コメントを参考にし、不安を解消したという話も、聞かれます。
子供が男の子だった場合でも、結婚し、子供を持つ可能性がある時には、母子手帳が、重要になる場面があります。
近年、妊娠中に妊婦が感染すると、お腹の赤ちゃんに、難聴や心疾患などの、障害の出る可能性がある、風疹が大流行しました。
そのため、夫となる男性側も、風疹の抗体を持っているかどうか、結婚を機に、チェックしておくことが、とても重要なのです。
そんな時にも、母子手帳に記入されている、予防接種の接種記録や、風疹の罹患の有無は、役に立ちます。
母子手帳は、単なる過去の記録ではなく、子供から孫へと続く、未来を守るものでもあるのですね。
『20年をつづる母子健康手帳』を子供に渡す
そんな重要な役割も持つ、母子手帳ですが、始めの章の話に出てきたCさんのように、自分と子供をつなぐ、大切な記憶が詰まっているために、なかなか、子供に渡す気持ちにもなれず、迷っているという方もいます。
そんな方には、『20年をつづる母子健康手帳』が、おすすめです。
この方法で、その悩みは、すっきり解決できますよ。
母子手帳と『20年をつづる母子健康手帳』との違い
『20年をつづる母子健康手帳』とは、親子健康手帳普及協会が、企画・作成している、母子手帳です。
★20年をつづる母子健康手帳
http://oyako-kenkotecho.com/
通常、母子手帳は、住んでいる市区町村に、妊娠届出書を提出した際に交付され、医療的な部分については、医師が記入したりしますが、こちらは、すべてを自分で記入して使う、自分オリジナルの、母子手帳といった感じです。
内容も、妊娠経過や予防接種歴といった、共通した項目はありますが、その時々のコメントを書き込みやすくなっていたり、20歳になった我が子へのメッセージページがあったりと、通常の母子手帳よりも、思い出をつづる手帳としての内容が、さらに充実しているのが、特徴です。
親から子への贈り物『20年をつづる母子健康手帳』
思い出の詰まった母子手帳は、自分の手元に残し、『20年をつづる母子健康手帳』を、子供に渡すという形をとれば、母子手帳を子供に渡す・渡さないの悩みは、解決できそうです。
細かな記録を、書き写すという作業は、手間がかかり、忙しい日々の中では、少し負担に思われるかもしれません。
でも、そこに費やす時間は、子供を身ごもった時から、生まれた後までの、喜びや不安や感動の詰まった、愛おしい時期をたどる、貴重な時間と、なるのではないでしょうか?
【まとめ】
母子手帳を子供に渡すか、渡さないかというのは、個人の考え方によって、大きく分かれます。
今後は、母子手帳を電子化し、アプリとして、家族全体で共有し、妊娠・出産を見守れるようして、育児が母親だけのものにならない体制を作ろうという、新しい動きもあります。
けれども、やはり、母親にとって母子手帳は、特別な思い入れがある物だということは、間違いないようです。
手元にある母子手帳を、どうするのが、一番自分の気持ちに沿った方法なのか、これを機に、じっくりと考えてみては、いかがでしょうか?