2020年度はコロナウィルスの影響で、卒業式を始め入学式やその他のイベントなどは中止、または縮小しての開催、延期などが余儀なくされています。
また、学習面での不安も拭えませんよね。
そんな中、新学期を9月にしてはどうかという意見が出ました。
その意見に賛成・反対の署名活動が活発になったのが9月署名運動です。
今回は、9月署名運動が活発になった理由や、賛成・反対意見をまとめてみました。
そして、もし9月が新学期になった場合のメリット・デメリットについてもお話していこうと思います。
目次
【新学期】9月署名の活動の発端はなに?活発になったのはなぜ?
まずは、この9月署名運動が活発になった理由などをまとめていこうと思います。
コロナウィルスの影響
コロナウィルスの影響が出始めたのは2020年3月ですよね。
中々収束しないまま、患者数は増える一方で、学校の休校も始まっていきました。
その後、4月7日より緊急事態宣言が、限られた都市で始まりました。
そしてついには、4月16日に緊急事態宣言は全国に拡大されました。
ちなみに、期間は5月6日まででした。
もちろん学校は休校で、学校での対面学習は2か月も遅れることになったのです。
学生の皆さんにとっては重大な問題です。
休校延長による子供への精神的不安があるため
休校の延長は少しずつ少しずつ増えていき、この日から学校へ行けるという学生さんの期待を裏切るものでした。
休校が長引いたことで、精神的な不安が大きくなっていったようです。
結局、勉強が遅れてしまうのであれば、いっそ新学年を9月始まりにしてほしいという意見が出てきました。
それが、9月署名運動が活発になった大きな理由だと考えられます。
まずは、賛成派が署名運動を始め、政府に提出する頃には2万を超えた署名が集まったそうです。
また、賛成派の署名が始まった後に、反対派の署名も始まりました。
どちらもTwitterなどを活用し、学生の中でどんどんと活発になっていったのです。
元々、新学期を9月にする考え方は政府にもあった?
しかし、9月に新学期を始めるというのは、このコロナウィルスの影響で急に出た話ではないのです。
9月入学の話は政府で、過去に何度も検討されてきましたが、意見はまとまらず実現に至っていません。
なので、パッと思いついて9月に新学期をという運動が始まったわけでないことだけは覚えておいてください。
新学期を9月にすることへの賛成・反対意見まとめ
それでは、新学期を9月に移行することに賛成の意見と反対の意見についてまとめていこうと思います。
賛成派
賛成派のなかには、世界の教育と足並みをそろえたいという意見も多くありました。
勉強についての格差が広がるのを防ぐ
休校の2か月で、勉強がきちんと出来た子と出来なかった子との格差をなくすために、9月に一斉に勉強を始めたいというものです。
グローバルスタンダードにすることがこれから大事になる
グローバルスタンダードは「世界標準」という意味です。
欧米諸国や中国などが9月始まりで揃っているので、日本もそれに揃えるというのはおかしいことではないと思います。
留学するのもしてくるのも楽になる
9月始まりにすることで、世界の学校で新学期が始まる時期に留学をすることが出来ます。
私たち日本人のメリットはもちろんあり、留学してくる外国人にも時間を無駄にしなくていいというメリットがありますよね。
小6・中3・高3のイベントを満喫させてあげたい
これは、2020年の話に限ったことだと思うのですが…
それぞれの学年で楽しみにしていたイベントを、9月始まりにすることで、もう一度その機会を得ることが出来るというものです。
2020年は何もかもを奪われたと思っている子供も多いと思います。
自分が親の立場であったら、「9月始まりが実現していたら…」と期待してしまいますよね。
反対派
続いては、反対派の意見をご紹介します。
9月新年度開始が日本の風土に合わない
日本の風土とは何かと思いますが…
9月始まりと言うと、寒くなる前の秋に新学期が始まり、冬を超え、夏の一番熱い時期が終業式となるわけですよね。
この周期は果たして、受け入れられるのでしょうか。
不安の方が多いという事ですよね。
学校へ行けない子供達への配慮がしにくくなる
不登校などで学校に行けない子供達は沢山います。
2020年を後半年乗り切れば義務教育が終わる、クラス替えがあるなど新しい生活が出来るかもしれないと思っている子供たちの望みをかなえてあげることが出来ないのです。
9月に卒業・入学では桜が楽しめない
日本人は桜が大好きですよね。
確かに、桜がないと卒業・入覚の気分を味わえないと思う人がいる一方で、そんなもの無くても、ちっとも困らないという人もいます。
ですが、日本人の桜への思いは強いものがありますよね。
19歳で高校卒業に抵抗がある
9月始まりを採用すると、高校の卒業19歳となるわけです。
何だか違和感があるというのはちょっと分かるような気がします。
今までの受験のペースで学習を進めていることを無駄にしたくない
しっかりと予定を立てて、受験に向けて勉強をしてきた子にとっては、その計画が無駄になってしまうという意見です。
確かに半年分伸びたら、どのように対応していくのか、もう一度予定を組みなおさなくてはならないですよね。
そんなことをするくらいなら今のまま、受験をさせて欲しいという意見です。
もしも新学期が9月になった場合のメリット・デメリット
それでは、最後にもしも9月に新学期が始まるとしたら、どのようなメリット・デメリットがあるのかまとめていこうと思います。
メリット
まずは、メリットについて調べました。
学校再開がはっきりすれば子供の不安も取り除ける
休校延長ばかりで、不安に思っていた子供たちを安心させてあげることが出来ます。
家にいて、不安を抱える子も多いと思います。
そんな子供たちの安心材料となりますね。
長期休みをしっかりと楽しむことが出来る
2020年は、学習の遅れを取り返すべく、夏休みはかなり、減らされていました。
もしも9月始まりだったのなら、長期休みはしっかり楽しめたのではないでしょうか。
学力格差をなくすことが出来る
学力格差というのはなにもクラス内の小さなものではなく、学校単位で出来てしまうものです。
オンライン授業を取り入れることが出来た学校もあれば、プリントやドリルだけを渡すという学校もあったと思います。
そんな学力格差を埋めるべく、9月始まりで一気に同じステージに立てるようになるのではないでしょうか。
世界と教育の足並みがそろう事で国際的な人材を増やせる
世界の教育と同じタイミングになるというのはとても大きなメリットです。
このメリットがあるからこそ、昔から政府で検討されていたのです。
上記にも書きましたが、日本から留学がしやすい、世界から留学してもらいやすいが実現したかもしれません。
冬の受験が無くなり感染症・天候不順に左右されない
冬になると、インフルエンザが流行し、風邪もひきやすくなりますよね。
加えて2020年の冬はコロナウィルスが猛威を振るっています。
また、雪などで電車が動かないなど冬独特の天候に左右されることが9月始まりではありません。
春に入試となれば、上記に書いたようなことは影響されないかもしれませんね。
デメリット
それでは、デメリットは無いのでしょうか?
探してみるといくつか見つかりましたので、ご紹介しておきます。
子供の学年・生まれ年・早生まれなどの年齢の問題がある
子供の学年の決め方が、変わってきてしまいますよね。
今まで同じ学年だった子が1つ下、1つ上になる可能性が出てくるという事です。
そういった場合についても考えていかなくては9月始まりを進めることはできないのではないかと思います。
親の社会的負担が大きくなる
学校生活が長引けば、それだけ親が果たす負担は大きくなります。
生活が厳しいご家庭では、深刻な問題だと思います。
学費を自分で稼ぐ子供への負担が大きい
また、親からの仕送りもなく自分で学費を稼いでいる子たちも少なからずいるはずです。
そんな子供たちへ、半年伸ばしたから頑張ってと気軽に言ってはいけないのではないでしょうか。
就職に対しての大きな変化が受け入れられるか心配
学校は9月始まりとなりますが、就職先はどうでしょうか。
今まで通り、4月入社とするのであれば、新社会人の皆さんは、半年間待たなくてはいけないという事でしょうか。
そういった、就職についても考えてから9月始まりは本当に良いのか考えていかなくてはいけませんよね。
まとめ
- 9月署名の活動が活発となった理由はもちろんコロナウィルスの影響ですが、元々9月入学については政府で検討されていた問題です。
- 9月署名をする上で出た意見は、大人が考えるよりも、子供の方がしっかりとしていました。
- そして9月始まりのメリット・デメリットはデメリットの方に、重点を置いた検討がされるべきものばかりでした。
コロナウィルスの影響で9月署名運動は高まりましたが、結果採用されなかったが良かったのではないかと思います。(2020年12月現在)
目先のメリットばかりに気が行って、本当に解決すべきデメリットを後回しにするのはよくありません。
皆さんも、よく考えてから、署名運動に参加してくださいね。