「しまい洗い」という洗濯方法をご存知でしょうか。
衣替えで片づける前に洗うことを言います。
季節に合わせた洋服を入れ替えることだけが衣替えではないのです。
しまい洗いは衣替えの重要行程と言っても過言ではありません。
ここでは、ニットのしまい洗いについてまとめていきます。
衣替えでニットを洗濯する前準備
次シーズンまで着用しないものを洗濯機で回せば良いだけではないのが、ニットのしまい洗いです。
良い状態で保存し、また気持ちよく着用するためにも、いくつか行いたいことがあります。
そんな衣替時のニット洗濯の前準備をご紹介します。
断捨離
衣替えは、断捨離を行いたい場合には絶好の機会です。
どのような判断基準で断捨離を行えばよいのかが分からない、という声も少なくありません。
以下、いくつかの断捨離ポイントをまとめていきます。
- 1シーズン着用しなかったニットは処分
- 取り切れないほどの毛玉、補修が難しいほどほつれや虫食い状態になっている
- 伸び縮みをおこしている
- サイズが合わなくなっている
などです。
「捨てる」ということが苦手で断捨離ができない場合、以下の方法を試してみてください。
- リサイクルショップなどに買取依頼をする
- 欲しいという知人や友人に着てもらう
- フリマアプリを活用する
などです。
捨てるのではないので抵抗感が少なくなり、断捨離をしやすいという場合も多いのです。
洗濯槽の掃除
汚れた衣類を綺麗にしてくれる洗濯機。
そんな洗濯機の洗濯槽に注目をしてみてください。
- 衣類の汚れやほこり
- 水垢
- 洗剤の残りかす
などが洗濯槽内には残りやすいのです。
また、蓋を占めていることが多いので湿度型硬くなってしまいカビや雑菌化繁殖している可能性も考えられます。
年に1度程度しか掃除をしていないというケースも少なくありません。
ぜひとも、衣替えをきっかけに洗濯槽も綺麗にしましょう。
洗濯槽の掃除は簡単です。
専用のクリーナーが出ていますので、合ったものを選んでください。
以下、代表的なものをご紹介します。
- 塩素系
塩素系は、殺菌効果が強くカビを除去しやすい特徴があります。
すすぎ残しがあると、衣類の色落ちの原因になりますので注意してください。
簡単にきれいに掃除ができるタイプともいわれています。 - 酸素系
か酸化ナトリウムが主原料で、発泡します。
衣類ダメージが少なく刺激臭も少ないので安全性は高いでしょう。
ただ、手間と時間がかかりやすい特徴があります。 - 重曹
メディアでも取り上げられている重曹。
アルカリ性で、安全性は抜群です。
ただ、殺菌効果はあまり強くありません。
酸素系の洗剤が不可な洗濯機とは相性が悪いのでご注意ください。
取り扱い絵表示の確認
自宅でニットのしまい洗いを行う場合、確認したいことがあります。
それは、各衣類についているタグの「絵表示」です。
絵表示は、洗濯方法の表示がかかれていますので必ず確認しましょう。
- バケツに水が入ったような絵表示
家庭でも洗濯は可能です。
下の横線が多くなるほど、弱めの力で洗うのがオススメです。
中にある数字は、限界の液体温度を指しています。 - FやWの表示
この2つの表示があると、家庭では洗濯ができません。
ドライクリーニング、ウェットクリーニングの表示となります。 - 三角にバツ印
漂白剤使用禁止の絵表示です。
シミなどの前処理
ニットを洗濯機に入れる前、目だった汚れやシミがないか確認してください。
もし、見つけたら前処理としてシミ抜きを行いましょう。
シミ抜きの手順は以下、ご紹介します。
- オシャレ着専用の中性洗剤をシミにつける
- 綺麗なタオルを下に敷き、その上にシミ部分とタオルが向き合うようにニットを置く
- ニットの裏側から歯ブラシで叩くように汚れを浮かし落とす
基本のシミ抜き方法はこれだけです。
色落ちが気になるという場合、前もって目立ちにくい場所で試してみると良いでしょう。
全体的な黄ばみジミの場合は、以下のような方法がオススメです。
- ぬるま湯にオシャレ着専用の中性洗剤を入れる
- ニットを入れ優しく押し洗いをする
- 黄ばみが強ければつけておく
- 綺麗な水でそそぐ
洗濯機に入れる前、このひと手間を行うだけで仕上がりがぐっと変わります。
ニットの洗濯方法
衣替えの本番。ニットの洗濯方法です。
知識を持っておくと、スムーズな衣替えを進められるでしょう。
ここでは、洗濯方法についてまとめていきます。
水に洗剤を入れてよく泡立てる
30℃くらいの水の中に洗剤を入れます。
その後、手などでよく泡立てましょう。
熱いお湯の方が汚れが落ちやすい印象があるかもしれません。
しかし、ニットの場合はお湯の温度が高すぎると縮みの原因になってしまうのです。
衣類を漬け込み、押し洗い
軽くたたんだような状態で、泡立てた洗剤の中に衣類を入れます。
洗い方は必ず「押し洗い」をしてください。
すり合わせるように洗うと、繊維が傷ついてしまいます。
また、押し洗いの際にも強い力ではなく「優しく」を心がけましょう。
前処理をした箇所を軽くこする
前処理で汚れを浮かせた箇所をこすりましょう。
この際にも、くれぐれも強くこすり過ぎないようにご注意ください。
細かい部分は、指先を使って優しくつまむような感覚で汚れを落としましょう。
3分つけおき
汚れを落としたらさらに3分つけおきしましょう。
この3分が仕上がりに大きな差を生むのです。
繊維の奥に蓄積した汚れを浮き出してくれます。
ポイントは脱水とすすぎにあり
衣替えのニットを綺麗に仕上げる洗濯。
ポイントは「脱水・すすぎ」にあるのです。
ここでは、ニット洗いのための脱水とすすぎの方法についてご紹介します。
洗濯ネットに入れ1分間脱水
洗いの工程で、繊維の沖にたまった汚れが落としやすい状態になっています。
この段階で1分脱水をかけましょう。
脱水をかけることに不思議に感じるかもしれません。
しかし、この1分間の脱水が、汚れをしっかりと落としてくれるのです。
この際の注意点ですが、必ず洗濯ネットにいれましょう。
摩擦で繊維が傷つかないようにするためです。
洗濯ネットと衣類のバランスが悪い場合、ネットの余った部分を輪ゴムなどでしばってください。
きれいな水で押しながらすすぐ
水の温度は30℃を基準にしてください。
なぜ30℃である必要があるのでしょうか。
理由は以下のようなものになります。
- ニットの縮みを防ぐため
- 繊維を作っているセレーションやスケールの逆立ちを防ぎ、絡みにくくするため
です。
こすって洗うのではなく、必ず押しながらすすいでください。
3分しっかり脱水
余計な水分を飛ばすための脱水を3分行いましょう。
もし洗濯機に「オシャレ着モード」があれば、その設定の脱水機能を使用すると安心です。
ニットの干し方
綺麗に洗い上がれば、次はニットを干すという作業に入ります。
ベストな状態で来シーズンを迎えるためにも、干し方のポイントを抑えておきましょう。
ここでは、ニットの干し方についてご紹介します。
平干しがベスト
平干し専用ネットなども売られていますが、自宅にないということもあるでしょう。
「ベストの干し方」を考えると、平干しということになります。
ハンガーで干すときには注意が必要
ハンガーは基本的にニットにはふさわしくないといわれています。
なぜなら、型崩れを起こしてしまうからなのです。
特に、クリーニング店でついてきた針金製などは使用しないでください。
しかし、、小さな工夫でニットでもハンガー干しができるのです。
その方法を以下、ご紹介します。
- ニットを真ん中から縦にたたむ
- 脇のした部分からハンガーフックが出るようにハンガーを置く
- 身頃をハンガー側にたたむ
- 袖部分もハンガー側にたたむ
これで完成です。
8割乾いたら、アイロンやドライヤーで乾燥
ニットの場合、基本的には風通しの良い場所で陰干しを行ってください。
しっかり早めに乾かしたいという場合、8割り程度自然乾燥ができたら、アイロンを活用してみましょう。
アイロンがオススメの理由を以下、ご紹介します。
- 洗濯シワを伸ばすことができる
- 縮み防止になる
- 毛羽立ちを抑えられる
などです。
アイロンは直接ニットに押し付けるのではなく「すれすれで撫でる」ような感覚でかけると良いでしょう。
まとめ
- 衣替えのタイミングで断捨離を検討してみる
- ニットの衣替え時には必ずしまい洗いを行う
- ニットの絵表示を見て家庭で洗濯可能か確認する
- 前処理を行ってから洗濯をすると汚れもスッキリ落とせる
- 洗濯槽の汚れも同時にチェック
- すすぎや脱水、干し方のポイントを抑えるとさらに綺麗に仕上がる
ニットを洗うというだけで怖いというイメージがあるかもしれません。
しかし、簡単なコツだけで綺麗な状態で衣替えができます。
すっきりした気持ちで新しい季節を迎えるためにも、ぜひとも実践してみてください。